出産を終えた直後の体は、見た目以上に大きなダメージを受けています。妊娠中に広がった骨盤、引き伸ばされた腹筋、弱くなった骨盤底筋など、体の内側はまだ完全には回復していません。
そのため、「早く体型を戻したい」と思っても、いきなり激しい運動を始めるのは危険です。産後の運動は、まず体を整えることを目的にした軽いストレッチや呼吸法から始めることが大切です。
一般的には、産後1ヶ月健診で問題がなければ運動の幅を広げていくことができます。それまでは、体に負担の少ない動きで血流を促し、回復をサポートすることを意識しましょう。
産後すぐ取り入れたい「呼吸トレーニング」
腹式呼吸で体の内側を整える
産後すぐに取り入れられる運動としておすすめなのが、腹式呼吸です。呼吸を整えるだけでも体の回復を助け、代謝を高める効果が期待できます。
やり方
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仰向けになり、膝を軽く立てる
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鼻からゆっくり息を吸い、お腹をふくらませる
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口からゆっくり吐きながらお腹をへこませる
吐くときに、骨盤の底を引き上げるイメージを持つと、骨盤底筋を安全に鍛えることができます。これを5〜10回ほど繰り返しましょう。
この呼吸法は、産後に起こりやすい尿もれやぽっこりお腹の予防にも役立ちます。
寝たままでできる簡単ストレッチ
産後の体には、負担の少ないストレッチが適しています。寝たままでできる動きから始めることで、体を無理なく整えることができます。
ひざ抱えストレッチ
仰向けになり、両膝を胸に引き寄せます。そのままゆっくり呼吸をしながら10秒キープします。
このストレッチは、腰やお尻の筋肉をほぐし、骨盤周辺の血流を良くします。育児で疲れやすい腰のケアにも効果的です。
足首回しストレッチ
仰向けで片足を少し持ち上げ、足首をゆっくり回します。左右それぞれ10回ずつ行いましょう。
産後はむくみやすいため、足首を動かすことで血液やリンパの流れを促進できます。
肩・背中ストレッチ
座った姿勢で両手を前に伸ばし、背中を丸めます。肩甲骨を広げるイメージでゆっくり伸ばしましょう。
授乳や抱っこで固まりやすい肩や背中をほぐすことで、姿勢の改善にもつながります。
産後1ヶ月以降にできる軽い運動
産後1ヶ月健診で問題がなければ、少しずつ軽い筋トレも取り入れられます。無理をせず、体の様子を見ながら行いましょう。
ゆっくりスクワット
足を肩幅に開き、背筋を伸ばしてゆっくり腰を落とします。最初は5回程度から始めましょう。
スクワットは太ももやお尻など大きな筋肉を使うため、基礎代謝を高める効果があります。
ヒップリフト
仰向けで膝を立て、お尻をゆっくり持ち上げます。肩から膝まで一直線になったら3秒キープし、ゆっくり下ろします。
この運動は骨盤周辺の筋肉を鍛え、体型の回復や腰痛予防に役立ちます。
産後の運動で気をつけたいポイント
産後の体は個人差が大きく、回復スピードも人それぞれです。安全に運動を続けるためには、以下のポイントを意識しましょう。
・痛みが出たらすぐ中止する
・出血が増えた場合は休む
・体調が悪い日は無理をしない
・医師の指示を優先する
また、睡眠不足や栄養不足の状態で無理に運動すると、体調を崩す原因になることもあります。まずは体を休めることも大切です。
ダイエットよりも「回復」を優先しよう
産後すぐの時期は、体型を戻すことよりも体の回復を優先することが重要です。呼吸やストレッチを取り入れることで血流が改善し、体調も整いやすくなります。
体重はすぐに戻らなくても問題ありません。体が回復し、生活リズムが整えば、自然と痩せやすい状態へ近づいていきます。
小さな習慣が体を変えていく
産後のダイエットは、短期間で結果を求めるものではありません。大切なのは、毎日少しずつ体を動かす習慣です。
5分のストレッチでも、呼吸を整えるだけでも構いません。続けていくことで、体は確実に変わっていきます。
焦らず、自分のペースで体を整えていきましょう。
その積み重ねが、健康的な体型への近道になります。

